Mk-Ⅱです。
『ゲート処理:基礎編』ということで、ここではゲート処理の基本について考えます。
主に以下の項目について説明します。
- ゲート処理とは?
- 白化
- ゲート処理の手順
- ゲート処理に必要な道具
相手を攻略するためにはまずは知るところから。
きっと知っておいて損はないはずです( ゚Д゚)!!
Mk-Ⅱは諸事情により塗装を行っていません。
塗装をする場合、ゲート処理をここまで行う必要はないかと思います。
ご注意ください( ゚Д゚)!!
ゲート処理とは?
開封時、各パーツは『ランナー』とよばれる枠に固定されています(写真左)。
そして、ランナーと各パーツを固定している部分を『ゲート』といいます(写真右白枠)。
51b:ゲート処理
今回のテーマである『ゲート処理』は、ニッパーを使ってランナーからパーツを切り離す作業から始まります。
上の写真のように、最終的にパーツに残るゲートを完全に取り除き、きれいに整えます。
なぜ、ぞのような処理が必要なのかというと、ゲート処理をきちんとしておかないとパーツがうまくはまらかったり、完成品の見栄えが悪くなったりするからです。
ゲート処理を失敗するとどのようになるのか、ゲート処理の『失敗例』を見てみましょう。
お恥ずかしい話ですが、過去にMk-Ⅱがやらかした失敗例です。
『MG ガンキャノン』『HG ヤクト・ドーガ』『HG プチッガイ』を組み立てたときの写真です。
これらのガンプラは形成色が鮮やかな色なので失敗したところが余計に目立つ状態となってしまっています。
これではせっかく手を掛けたガンプラが台無しです。
そうならないためにも『ゲート処理』をきちんとしておくことが重要です。
白化
ゲート処理がどのようなものかなんとなくわかったと思います。
そして、それとは別にもう1つ知っておいてもらいたいのが、ガンプラ製作における難題『白化』です。
白化とは、写真左側の矢印の箇所のようにパーツが部分的に白くなってしまうことをいいます。
これはパーツに過度な圧力がかかった場合に生じます。
写真の右側は、ランナーを折り曲げたところです。
折り曲げたところ、つまりランナーに圧力が掛かっている部分が白くなっています。
白化は、ゲート処理だけでなく、あらゆる場面で起こる可能性があります。
しかも、一度白化してしまうと基本的に元に戻すことはできません。
Mk-Ⅱの個人的な考えではありますが、白化に対して上の図のようなイメージを持っています。
つまり、図のようにパーツが引き延ばされることでプラスチックの密度が低くなり、パーツが白くなってしまうという考え方です。
また、ゲート処理をしたときに上の写真のように色が濃い状態になることはないでしょうか??
ここで、白化のイメージ図をもう一度見てみてください。
薄くなったプラスチックの反対側では、密度が高くなりそうな感じがしませんか?
上の写真の状態は圧力が掛かってプラスチックの密度が高くなり、濃い色になってしまったのではないかとMk-Ⅱは考えております。
この濃くなる状態について、ネット上を探してみても情報がなく、Mk-Ⅱの残念な頭脳では対策すら思い付かないので、今後の課題として今は放置します。
ガンプラを作るうえで、白化は避けて通れません。
しかし、丁寧なゲート処理によって防いだり、目立たなくすることは可能です。
そのため、どうしても地道な作業の繰り返しになりますが、根気よく処理するのがカッコよくガンプラを仕上げるための一番の近道だと思います。
ゲート処理の手順
次に『ゲート処理の手順』について説明します。
ゲート処理のために用意できる道具や人によっては得意不得意があるので、必ずしもこの手順で行う必要はありませんが、ゲート処理の大まかな流れはどれも同じだと思います。
現在、Mk-Ⅱは以下の手順でゲート処理を行っています。
- ランナーの準備
- ニッパーによるパーツの切り離し
- 薄刃ニッパーによるゲート跡のカット
- デザインナイフでゲート跡を整える
- #800で全体をヤスリがけ
- コンパウンド:粗目による研磨
- コンパウンド:細目による研磨
- コンパウンド:極細による研磨
前述した通り、Mk-Ⅱが行うゲート処理はゲートの跡を極限まできれいにすることを目的とするため、表面処理まで含めています。
そのため作業量は多くなりますが、この手順でゲート処理を行えばゲート跡がかなりきれいになると思います。
ゲート処理に必要な道具
ゲート処理では様々な処理を行います。
そして、その処理の数だけ『道具』が必要となります。
ここでは実際にMk-Ⅱがゲート処理で使用している道具を紹介します。
ゲート処理で使用する道具はその用途から、『切り出し系』と『研磨系』に分けることができます。
切り出し系
『切り出し系』では、ランナーからパーツを切り出し、パーツに残ったゲートを処理します。
使用するのは『ニッパー』と『デザインナイフ』です。
ニッパーは『通常のニッパー』と『薄刃ニッパー』の2種類を使用することをおすすめします。
というのも、これには訳があります。
通常のニッパーは耐久性に優れていますが、切り口があまり良くありません。
それに反して、薄刃ニッパーは耐久性は低いものの、切れ味がよいためカット後の切り口はきれいな状態となります。
この特長を利用し、用途に応じてニッパーを使い分けます。
まず、ランナーからの切り出しでは通常のニッパーを使用します。
ランナーとパーツを固定するゲートは太く、固いので耐久性の低い薄刃ニッパーでいきなりカットすると刃を傷めてしまいます。
そして、パーツに残ったゲート処理に薄刃ニッパーを使います。
そうすると切り口の状態が非常にきれいなので、後から行うデザインナイフや研磨系の処理がかなり楽になります。
以上の理由から、ニッパーは上記の2種類を用意することをおすすめしています。
『ケロロニッパー/ゴッドハンド』
『薄刃ニッパー/タミヤ』
これらはMk-Ⅱが使用しているニッパーです。
ケロロニッパーは耐久性の高いニッパーとしてよく知られており、タミヤの薄刃ニッパーは切れ味がよく、高額な薄刃ニッパーの中で価格も控えめなのでおすすめです。
デザインナイフは、ニッパーでの処理後に使用します。
切れ味のよい薄刃ニッパーを使用したとしても、ゲート跡は完全に処理できません。
そこでデザインナイフを使ってゲート跡を削ぎ、さらにきれいな状態に整えます。
『アートナイフプロ/オルファ』
Mk-Ⅱは上記のデザインナイフを使用しています。
色々なタイプのデザインナイフを試してみましたが、これが一番手にしっくりきました。
デザインナイフには色々な形状があるので、自分の使いやすいタイプを使用するのがよいと思います。
研磨系
『研磨系』では、切り出し系の処理後に『ヤスリ』や『コンパウンド』などを使用してパーツ表面を極限まで磨き上げます。
これにより、ゲート跡はさらに目立たなくなります。
研磨系で最初に使用するのが『ヤスリ』です。
ヤスリは小さな番手から大きな番手へと変えながらヤスリがけをしていくのがセオリーです。
しかし、それほど大きな傷がなければ、#800程度で一度ヤスリがけをすれば十分だと思います。
『ジグソーパズル型スポンジ研磨材 極々細目(#800相当)/ミネシマ(3M)』
Mk-Ⅱが使用しているのは上記のヤスリです。
ヤスリには、金属ヤスリや紙ヤスリ、スポンジヤスリなど色々なタイプがありますが、Mk-Ⅱがおすすめしたいのは『スポンジヤスリ』です。
弾性があって、厚みもあるので扱いやすく、曲面などでも容易にヤスリがけができます。
紙ヤスリと比べるとコストは高めになりますが、その扱いやすさは時間効率を大幅に上げますので、むしろコスパはよいと思います。
ヤスリがけの後には『コンパウンド』を使用します。
コンパウンドの使用でパーツ表面は劇的な変化をみせます。
コンパウンドもヤスリ同様に小さな番手から大きな番手へと変えながら研磨します。
『Mr.コンパウンド(粗目)/ GSIクレオス』
『Mr.コンパウンド(細目)/ GSIクレオス』
『Mr.コンパウンド(極細目)/ GSIクレオス』
Mk-Ⅱの使用しているコンパウンドです。
粗目(#600)、細目(#3000)、極細目(#8000)の順に番手が大きくなります。
そして忘れてはいけないのが、コンパウンドを研磨する時に使用する『磨き上げ用クロス』です。
コンパウンドを使用すると上の写真のように細かいゴミがたくさん出ます。
また、肉眼では見ることのできない微細なゴミもパーツ表面に付着していてそれがパーツの汚れとなります。
そこでコンパウンドで研磨した後は、微細なゴミを取り除くためにクロスを使って磨きます。
『コンパウンド用クロス(3色セット)/タミヤ』
『Mr.フィニッシングクロス 仕上げ磨き用/GSIクレオス』
コンパウンドを使い始めた頃は百均でガーゼを購入して磨いていたのですが、ガーゼの細かい繊維がパーツに残るのが気になったので今はこちらのクロスを使用しています。
コンパウンドは種類にもよりますが、研磨材が粉状になっています。
全てのコンパウンドで同一のクロスを使用すると、別の番手の研磨材がクロスに付着したままになるので十分な効果を発揮することができません。
磨き上げ用のクロスはコンパウンドごとの使い分けが必須です。
そのためMk-Ⅱはタミヤのクロスを粗目と細目に、GSIクレオスのクロスを極細目に使用しています。
塗装をする場合は、白化したとしても上から塗料を塗るのでここまで磨かなくても問題ないかと思われます。
最後に
最後までご覧頂きありがとうございました。
『ゲート処理:基礎編』はいかがでしたでしょうか?
基礎編ではゲート処理を行うにあたって必要な知識を紹介しました。
次はこれらを踏まえたうえで、いよいよ『実践編』に移りたいと思います。
まぁまぁ長いですが、最後までお付き合いいただけると幸いです。
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